近年、高齢化社会の進展とともに認知症患者数は増加しており、2025年には700万人を超えると予測されています。認知症の原因は複雑で、遺伝的要因や加齢による脳の老化などが主な原因と考えられていますが、生活習慣も影響を与える可能性があります。
その中でも、カフェインは認知症のリスクを高める可能性があるとして、近年注目を集めています。カフェインはコーヒー、緑茶、紅茶、ココアなど多くの飲料に含まれている成分で、覚醒作用や集中力向上などの効果があります。しかし、過剰摂取すると不安感や不眠症などの副作用を引き起こすことが知られています。
では、カフェインは実際に認知症のリスクを高めるのでしょうか?
研究結果

カフェインと認知症の関係について、これまでに多くの研究が行われてきました。しかし、その結果はまだ一貫しておらず、カフェインが認知症のリスクを高めるという明確な証拠はありません。
カフェインが認知症リスクを高める可能性

一部の研究では、カフェインの過剰摂取が認知症のリスクを高める可能性を示唆しています。例えば、2018年に発表された研究では、1日あたり400mg以上のカフェインを摂取する人は、そうでない人に比べて認知症を発症するリスクが約2倍高いことが示されました。
カフェインが認知症リスクを高めるメカニズムとしては、以下のなどが考えられています。
- 脳の神経細胞にダメージを与える
- アミロイドβの蓄積を促進する
- 睡眠障害を引き起こす
カフェインが認知症リスクを下げる可能性

一方で、カフェインが認知症のリスクを下げる可能性を示唆する研究もあります。例えば、2019年に発表された研究では、1日あたり3~5杯のコーヒーを飲む人は、そうでない人に比べて認知症を発症するリスクが約20%低いことが示されました。
カフェインが認知症リスクを下げるメカニズムとしては、以下のなどが考えられています。
- 脳の神経細胞を保護する
- 抗酸化作用がある
- 記憶力や集中力を向上させる
結論
現時点では、カフェインと認知症の関係はまだ十分に解明されていません。カフェインの過剰摂取は認知症リスクを高める可能性がある一方、適量のカフェイン摂取は認知症予防に効果がある可能性もあります。
カフェインを摂取する際の注意点

カフェインは個人差が大きく、人によっては少量でも副作用を引き起こすことがあります。カフェインを摂取する際には、以下の点に注意しましょう。
- 1日あたりのカフェイン摂取量を控える
- カフェインを摂取する時間を意識する
- カフェインの副作用に注意する
その他
- カフェインの摂取量については、体重や体質などによって個人差があります。一般的には、1日あたり400mg程度であれば問題ないとされていますが、不安な場合は医師に相談することをおすすめします。
- カフェインは覚醒作用があるため、寝る前に摂取すると睡眠障害を引き起こす可能性があります。カフェインの摂取は、午後の早い時間までに済ませるようにしましょう。
- カフェインの副作用としては、不安感、不眠症、頭痛、動悸などがあります。これらの症状が現れた場合は、カフェインの摂取量を減らすか、中止しましょう。
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